中山太陽堂の相次ぐヒット商品の中でも画期的であったのが、天然ホルモンを配合した商品群であった。
昭和の始め、すでに女性ホルモンの効果については認められていたものの、化粧品への実用方法や美容効果についてはまだ解明できていなかった。
そこに注目した「中山化学研究所」では、イギリスなどでの研究成果を足がかりとし、さらに研究を重ねてこの女性ホルモンの化粧品への効果的配合を達成したのである。
中山太陽堂では、「綜合ホルモン配合クラブ乳液」を皮切りに、次々とホルモン配合商品を発売した。
特に昭和10年(1935年)に発売した「薬用クラブ美身クリーム」は『ホルモンクリーム』とも呼ばれ大ヒット商品となり、これ以降ホルモン配合ならクラブといった印象が社会に広がった。
ホルモンを配合したクリームは現在も「クラブホルモンクリーム」として販売されており、根強い愛用者の支持に応えている。